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脳卒中地域連携パス

梗塞になり死んでしまった脳組織は回復することはありません。しかし、梗塞の周囲には血流低下などのため機能不全に陥ったが、梗塞を免れ、その後次第に機能が回復してくる領域があります。また、時間とともに梗塞になった組織の働きを他の組織が補うようになってきます。このため多くの場合は脳梗塞急性期のもっとも悪い時期を超えると症状は回復に向かいます。しかし、どの程度回復するかは脳梗塞の大きさ、部位や背景にあるさまざまな要因によります。この回復を助けるのがリハビリテーションです。

リハビリテーションは早期から開始することが良いとされ、当院でも入院早期から関節が固まらないようにするリハビリテーションから開始します。しかし、本格的なリハビリテーションは当院では困難で、回復期リハビリテーションを専門とする病院に転院していただくことになります。また、不幸にして症状が重くリハビリテーション中心の生活を始めることが困難な場合があります。このような場合は介助による生活を続けることができる維持期施設へ転院していただくことになります。

大阪市内の脳卒中関連の医療機関では大阪脳卒中医療連携ネットワークと呼ばれる急性期病院、回復期リハビリテーション病院や維持期医療機関を含めた脳卒中治療の連携体制を形成しています。当科もこのネットワークに参加し、急性期治療終了後はできるだけスムースに次のステップに適した施設への転院ができるようにしています。また、症状が軽く直接自宅へ退院可能な患者様は掛かりつけの医院へ紹介することになります。患者様やご家族様にあってはこの趣旨に御理解と御協力よろしくお願いいたします。