外来案内(眼科で行う検査)
視力検査
遠見視力(遠くのものを見る時の視力)
日本では通常5m離れた視力表を用います。
近見視力(近くのものを見る時の視力)
近距離視力表を用いて30cmの距離で測定します。
乳幼児でもPL法や、絵のついたカードなどを使用することで視力検査は可能です。
眼圧検査
非接触型眼圧計-圧搾空気を眼の表眼に拭きつけ、眼表面のへこみ具合を換算して眼圧を測定します。器具が患者さんの目に直接触れないので、麻酔の必要性が無く、健康診断や人間ドック等で多用される簡単な検査法です。
ゴールドマン(接触型)眼圧計-診察室で医師により測定される眼圧検査で、涙液に色を付けた状態で器具を患者さんの目に直接当てることで、より正確に眼圧を測定する為、点眼麻酔を使用して行います。
細隙灯顕微鏡検査
医師のする眼の検査の中でも非常に重要なもので、基本的には診察のつど行われる検査です。細隙灯(スリット状の光)を眼に当てて、顕微鏡によって拡大して観察することで眼疾患を調べることができます。特殊なレンズを用いることで眼底や硝子体の様子も詳細に調べることができます。まぶしさはありますが、痛みの無い検査です。上記の接触型眼圧計はこの顕微鏡に付属しています。
眼底検査
眼の奥にある眼底(網膜・血管・視神経乳頭など)を特殊なレンズを通して調べる検査です。眼底出血などの糖尿病や高血圧による合併症の有無や、網膜剥離・緑内障等を調べることができます。
眼底は血管と神経を直接観察できる唯一の組織なので、眼底検査によって血管の変化や神経の変化を観察することで動脈硬化や高血圧、糖尿病などの生活習慣病の管理にも重要ですし、緑内障はもとより頭蓋内圧亢進を伴うような脳腫瘍などの早期発見にも有用です。
視野検査
まっすぐ前方の一点を見つめた時に、上下左右どれくらいの範囲が見えているかを調べる検査です。
正常では上方に60度、下方に75度、鼻側に60度、耳側に100度という広い視野を持っています。
2種類の視野検査があります。
(1)動的量的視野測定法
視野全体を定量的に測定する方法です。一般にゴールドマン視野計が使われます。何種類かの大きさ,明るさ,色の違った視標が動きそれを捕らえることのできる範囲を測定することで,視野全体を定量的に測定し視野内の各部分の機能を調べることができます。
いわゆる、地図で言う山の等高線のような感じを想像して下さい。
(2)静的量的視野計測法
視野内の動かない一点一点の明るさを変化させることで被検者が見える範囲をコンピューターによって解析調べる検査です。視野内の網膜感度の違いを量的に知ることができます。
視野検査は、視線を動かさず注視点を固視しておかないと,正しい結果は得られません。被検者の協力が必要です。
眼底カメラ・蛍光眼底造影検査
眼底(網膜)のカラー写真や造影写真を撮影します。
眼底撮影の機器と診察室はコンピュータで繋がっており、撮影写真は診察室で表示することができます。フルオレセイン・インドシアニングリーンという造影剤を使い網脈絡膜の検査を行います。
いずれの造影剤を用いた眼底撮影検査は、様々な網膜・脈絡膜疾患の診断に有用で治療計画を立てることはもちろんその治療効果を確認することにも役立ちます。
10Lマスター
その名の通り、白内障手術の際のIOL(アイ・オー・エル:眼内レンズ)の度数を計測する検査です。従来の機器と比べて、より正確に眼軸長(眼球前後の長さ)を測定することが可能になりました。他に角膜の大きさや前房の深さも計測することができます。眼に直接触れること無く検査ができる為に、被験者の負担も少なく、より簡単に測定する事ができます。当然、従来の眼軸長を測定する検査(Aモード超音波検査)もあります。
超音波画像診断装置
お腹のエコー検査と原理は同じです。眼球内部を超音波によって全体的にみる検査です。強度の白内障や硝子体出血等で眼内が観察できない場合に、眼球内に網膜剥離などの異常がないかを確認する為に行います。
UBM(超音波生体顕微鏡)
通常の診察や検査では知ることの出来ない隅角や虹彩の状態や虹彩の裏の水晶体の状態等を知ることが出来ます。閉塞隅角の診断や虹彩嚢胞や水晶体亜脱臼の診断に有用です。
OCT(光干渉断層計)
眼底の断層写真を撮影する検査です。眼底写真では平面的にしか見えませんし、眼底検査でも表面的にしか観察することができません。断層画像によって、病巣を立体的にとらえることができ、疾患の病態を詳しく知ることができます。