診療科・部門Clinical department/department

業務紹介

人工心肺・補助循環業務

人工心肺

臨床工学技士は、心臓を一時的に停止させる手術を行う際に用いる人工心肺装置の操作を行います。そのほかに安全に心臓を停止させる心筋保護液注入装置や水分・電解質を調整する血液濃縮器、出血した血液を回収し洗浄・返血する自己血回収装置、体温調節する冷温水槽等の操作も行っています。
また、人工心肺装置など医療機器の安全性を高めるためにチェックリストを用いて動作確認を行っています。人工心肺実施時には「体外循環技術認定士」を取得した臨床工学技士を配置しています。

補助循環

補助循環装置には様々な種類があり、近年ではCOVID-19で着目されたECMOが有名です。ECMOとはExtracorporeal membrane oxygenation(体外式膜型人工肺)という装置の略で重症呼吸不全や循環不全に使用されます。その他、心臓の圧補助を行う大動脈バルーンパンピング(IABP)や左心室負荷を直接軽減する補助循環用ポンプカテーテル・経緯的補助人工心臓(IMPELLA)の操作や安全管理を行っています。

業務風景

人工心肺件数[2024年度]
68件

手術室業務

Da Vinci業務

当院ではDa Vinci Xiを導入し、ロボット支援下手術を施行しております。
手術室における人工心肺以外の臨床工学技士の役割が大きくなりDa Vinciを中心とした手術室業務を展開しています。
泌尿器科・婦人科・外科(上部消化器外科・下部消化器外科・肝胆膵外科)・呼吸器外科・心臓血管外科の7つの診療科のDa Vinci業務を担当しています。
各診療科において症例による部屋のレイアウトがあるため、手術前日から配置・使用前点検を行いDa Vinciの安全使用に努めております。
Da Vinciの操作(ロールイン・ロールアウト)、術中のDa Vinci、電気メス、気腹装置などの周辺機器のトラブル対応を臨床工学技士が行っています。
年間の実績においては下記のようになっており、Da Vinci業務は年々診療領域の広がりを見せ、増加傾向にあります。

Da Vinci業務風景
Da Vinci症例件数
ME機器管理業務(手術室内)

Da Vinci業務の他に、手術室内のME機器管理業務も手術室業務の一環として行っています。手術室での機器のトラブル・修理対応、自己血回収装置対応や電気メス等の定期点検を行っています。

血液浄化業務

急性・慢性腎不全に対する血液透析をはじめ、集中治療領域で行う持続緩徐式血液透析濾過(CRRT)やエンドトキシン吸着(ET-A)を実施しています。その他にも血漿の中から病因物質を取り除くアフェレーシス療法(血漿交換療法・血漿吸着療法)、難治性潰瘍に対するLDL吸着療法など、あらゆる血液浄化療法に対応しています。また、腹水濾過濃縮再静注療法(CART)や血液内科領域で行う末梢血幹細胞採取(PBSCH)も実施しています。

[当院所有の血液浄化装置]

血液透析業務

当院では透析用装置を全11台(うち、病棟出張用2台)有しています。
臨床工学技士は装置のセットアップ・操作・管理やシャント穿刺、治療中のトラブル対応を行っています。
また、透析用水の清浄化にも努めており、月一度の水質検査や定期的な配管洗浄も実施しています。

急性血液浄化業務

集中治療室や救命救急領域において、重症患者に対する透析治療、肝疾患や神経疾患などに対するアフェレーシス療法、敗血症性ショックに対するET-Aなどを臨床工学技士が装置のセットアップから導入作業及び治療中の管理・トラブルまで対応しています。
装置は6台所有しており同時に複数依頼が来ても対応可能です。

ME機器管理業務

ME機器管理室では、輸液ポンプ・シリンジポンプ、人工呼吸器や体外式ペースメーカなど、様々な医療機器を中央管理しています。
それにより、医療機器の効率的な運用と、安全を確保しています。

医療機器にバーコードラベルを添付し、『医療機器管理ソフト:CEIA』にて中央管理を行っています。

~中央管理されている主なME機器~
  • 輸液ポンプ
  • シリンジポンプ
  • PCAポンプ
  • 経腸栄養ポンプ
  • 人工呼吸器(Drager・日本光電・東機貿)
  • 搬送用人工呼吸器
  • NIPPV (Philips・日本光電)
  • ネーザルハイフロー (Philips)
  • 体外式ペースメーカ
  • フットポンプ
  • 低圧持続吸引器

除細動器やAED、12誘導心電計などの日常点検も『医用機器管理ソフト:CEIA』を活用し実施しています。

心臓・下肢カテーテル業務

日本では生活習慣病と呼ばれる疾患群が周知され、その一つである「動脈硬化」も聞きなじんだものとなりました。動脈硬化は、血管が硬くなることで狭窄や血流障害を引き起こします。これが心臓で起これば心筋梗塞、足で起これば間歇性跛行あるいは壊死に至るケースもあり、日本人の4人に1人は動脈硬化関連の病気で亡くなるという統計が出ています。
心臓・下肢カテーテルでは、これらの疾患に対し『PCI』や『PTA』と呼ばれる経皮的根治術を行います。
我々はこれらの治療に伴い、血管内側の組織性状を観察することが可能となる診断装置(IVUSおよびOFDI)や石灰化した硬い病変を切削するための装置(Rotablator)など、様々な医療機器を用いて高水準な治療のサポートを担っています。

業務風景
業務風景
IVUSによる血管内撮像
IVUSによる血管内撮像

CIEDs業務

人間の心臓は1日約10万回、規則正しく収縮と弛緩を繰り返しています。しかし、この規則正しい動きを逸脱する病気があります。それが不整脈です。
日本循環器学会では心拍数がおおよそ50回/分以下を「徐脈」。100回/分以上を「頻脈」と定義しています。症状にもよりますが、「徐脈」に対しては『ペースメーカ(PM)』による治療。「頻脈」に対しては『植え込み型除細動器(ICD)』による治療が行われます。また「左脚ブロック」と呼ばれる不整脈も存在し、これに伴う心不全に対して『心臓再同期療法(CRT)』と呼ばれる治療が行われます。
これらPM・ICD・CRTを総称してCIEDsと言います。

CIEDs(ペースメーカー・ICD・CRTの総称CIEDs外来check業務風景

CIEDsはPacingと呼ばれる電気刺激により意図的に心臓を拍動させることが可能であり、除細動機能を持つ機種では電気ショックを行うことが可能な機器です。
我々はこのCIEDsの機器操作とメンテナンスを行っています。現在CIEDsは全5社から販売されていますが、当院では全社に対応可能となっています。
患者様のCIEDsを用いた不整脈治療に対して、導入からアフターケアまで責任を持って対応しています。
(CIEDs外来check・・・毎週月曜日:30-40件)

心臓アブレーション

心臓アブレーションは、適応となる頻脈に対して行う治療です。心臓は電気が流れることで動くことから、心臓内から焼却や冷却を頻脈の原因となる電気の通り道に加え、電気の流れを意図的に遮断することで頻脈を治療することが可能です。この治療方法を心臓アブレーションと言います。心臓アブレーションでは頻脈の原因となる電気の通り道を見つけるための機器(スティムレータ&ポリグラフ)や、心臓の電気の流れを可視化する3D Mapping System(CARTO・ENSITE・RHYTHMIA)を用いて治療を行います。我々はこれらの機器の操作を行い、治療のサポートを担っています。
また、心房細動に対するアブレーション治療の最先端技術であるPFA(Pulse Field Ablation)も実施されています。

ポリグラフ
3D Mapping System
業務風景

集中治療業務

当院ではICUと救命救急センターICUに臨床工学技士を各1名配置し、集中治療業務を行っています。
集中治療分野では様々な医療機器を使用し、医師の指示のもと、患者の治療を行っています。
我々が管理する医療機器の中には、人工呼吸器・血液浄化装置(CRRT)・補助循環装置(ECMO、IABP、IMPELLA)などの命に直結する生命維持管理装置も含まれています。患者様の生命を守るための重要な役割を担う機器を扱っているという強い責任感を持って、日々の業務に取り組んでおります。
また、医者・看護師・薬剤師などのメディカルスタッフと行う合同カンファレンスに参加し、チーム医療の一員として患者により良い医療を提供できるよう尽力しています。
臨床工学技士が常駐することで医療機器トラブルを未然に防ぎ、患者様の急変時には直ちに対応できるような体制を構築しています。

人工呼吸器対応風景
補助循環対応風景

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電話番号

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初診

08:30〜12:00

再診

08:30〜12:00

面会

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