センターの紹介
概要
独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター救命救急センターは生命の危機に瀕した人の救命を目的に24時間体制で診療を行なう三次救急施設です。医院、診療所、一次・二次救急病院などからの紹介や、消防局救急隊から直接依頼を受けて救急車で来院される患者さんの診療が中心になります。
構成
救命救急センターは、緊急災害医療棟にある救急外来と病棟3階にあるセンター病床からなります。
救急外来
重症患者受け入れ部門(初療室)と外来診察室、検査室、手術室からなり、主に救急車で来院された患者さんの初期診断と治療を行います。隣接した検査室にはCT撮影装置やX線透視装置などがあり、間髪をいれず画像診断ができるようになっています。外来手術室は緊急に外科的処置が必要な場合に使用します。このように、救急外来では一刻を争う事態に対処できる体制をとっています。
病床
集中治療室(ICU:Intensive Care Unit)、心臓部門(CCU:Coronary Care Unit)、重症病床(HCU:High Care Unit)からなり、外傷や疾患を問わず、厳重な全身管理が必要な患者さんに対して、救急専門医や関連する診療科の専門医師による集学的医療ができる体制になっています。病床数は30床で、内訳はICUが8床, HCUが22床となっています。このうち4床はCCUとして使用しています。
対象となる病態
- 直ちに蘇生法や呼吸・循環の補助を必要とする心肺停止、ショック
- 脳血管障害(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血など)
- 急性心血管疾患(急性心筋梗塞、不安定狭心症、心原性ショック、重症心不全、重症不整脈発作、解離性大動脈瘤など)
- 呼吸機能の厳重な監視を必要とする重症呼吸不全
- 緊急手術を必要とする腹膜炎や出血性病変
- 肝不全、腎不全、糖尿病などの重篤な代謝性障害
- 交通事故、災害、転落などによる重症外傷、特に多発外傷や重症頭部外傷、四肢切断、圧挫症候群など
- 火災や化学災害、毒物への暴露などによる急性中毒、重症熱傷
診療体制
総合救急部門、心血管部門、脳血管部門の3部門で、24時間診療体制をとっています。総合救急部門では救急専門医が救命救急センターに専従しています。心血管部門では循環器科と心臓血管外科が、脳血管部門では総合内科脈管グループと脳神経外科がそれぞれ対応しています。特殊な基礎疾患を有する重症患者に対しては、当該診療科の専門医師と連携してチーム医療ができる、全病院的な協力体制をしいています。
歴史
- 1980年3月18日
医発第282号 厚生省医務局長 第三次救急医療施設として、救命救急センターの機能付与が決定される。 - 1981年1月10日
救命救急センターが開設される(10床、うちICCU3床)。頭部外傷、脳卒中患者を対象。 - 1981年8月1日
病床数の変更(30床、うちICU6床)となる。 - 1985年10月1日
新病棟の完成に伴ない「救命救急入院」の施設基準が承認される。30床(うちICU8床)となる。 - 1985年11月1日
対象疾患に心筋梗塞を追加し、心臓部門の救急診療が始まる。 - 2000年6月1日
阪大病院特殊救急部より新しく救急医が着任し脳血管部門、心血管部門に総合救急部を加えた3部門の新体制となる。 - 2001年3月
緊急災害医療等完成。 - 2002年1月1日
日本救急医学会認定医認定施設として認可される。 - 2003年1月1日付
日本救急医学会指導医指定施設として認可される。