診療科・部門

上部消化管外科科長あいさつ

~専門性の高い低侵襲手術を安全に行うように心がけています~

初めまして。2021年4月に上部消化管外科科長として大阪医療センターに赴任いたしました竹野淳と申します。

私たちの分野ではこの10-20年では手術方法に大きな変化が見られています。以前は全例で開腹手術を行なっていましたが、腹腔鏡手術を含めたいわゆる低侵襲手術が標準的になりつつあります。3年前からはロボット支援下手術が様々な術式に導入される様になりました。ロボット支援下手術はその精細な画質や安定した視野と高い操作性などの点から腹腔鏡手術の弱点を克服できると考えられており、私も前任地での経験からその有用性を実感しています。大阪医療センターでは今年にはいって各科での本格的なロボット支援下手術の導入が始まっています。私が専門としている胃癌、食道癌に対するロボット支援下手術も2021年から開始し、良好な術後経過が得られています。これらの低侵襲手術は非常に専門性が高いと考えられていますが、当科には内視鏡外科学会が認定する技術認定医が2名、ロボット支援手術指導医が1名、食道外科学会が認定する食道外科専門医2名が在籍しております。このため難易度が高い手術であっても患者さんに安全に手術をうけていただけると考えています。

一方で、非常に進行した癌の場合は手術では完治できない患者さんも多くいらっしゃいます。この場合は薬物による全身療法(化学療法や免疫療法)を行うことになります。胃癌、食道癌に対する薬物治療もまた日々進歩しています。当院では学会が定めるガイドラインに沿った治療を基本としながら、多施設共同の臨床研究に多く参加し、最新で最良の治療法の開発にも携わっています。一部の患者さんでは条件があえば保険診療では使用することができない最新の薬剤を用いた治験にも参加していだく事ができるかもしれません。

現在のような高齢化社会では、心、肺、脳、腎、糖尿などの併存症をお持ちの方も多くおられます。当院はあらゆる診療科がそろった総合病院ですので、高齢の患者さんでも他科とも緊密に連携しながら安全に治療をうけていただく事が可能です。

どうぞ安心してご来院いただき、私たちのチームに治療をおまかせください。

上部消化管外科科長 竹野 淳