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チーム医療について

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HIV感染症は身体の健康を損なわないために適切な対処が必要な疾患ですが、HIV感染者の方に生じる負担は身体的なものだけではありません。

受診にあたって、いつまで生きていけるのか、今後もいまの仕事や学業は続けていけるのか、医療費や負担や通院頻度がいったいどの程度になるのか、健康保険などの制度を利用した際にプライバシーがどこまで守られるのかなど、いろいろと不安が生じると思います。またHIV/AIDSに偏見をもつ人もまだいるため、自分がその病気になったことで気持ちがしんどくなり落ち込む方も多くいます。パートナーや家族などの大切な人や、同僚・友人などにこの病気をどのように伝えるのか、もしくは伝えないのか、などの悩みも生じます。

チーム医療

このようにHIV感染症は、人によっては身体だけでなく、社会的・経済的・心理的にいろいろな心配が生じる疾患です。当院ではHIV感染者の方の負担の軽減と、安心して受診を続けていただけるよう、多職種の専門職がHIV診療に参加する「チーム医療」を実践しています。スタッフ同士で連携しながら、感染者の方の通院・入院生活をサポートします。以下は、各職種からのメッセージです。

各職種からのメッセージ

医師

医師の役割は、患者様から症状を聞き取り、診察を行い、必要な検査を行います。またそれらの結果から診断を行い、治療方針をたて、その内容をご本人に説明します。さらに処方を行うなど治療を行います。HIV感染症は継続して定期受診をしてゆくことが重要です。ほかのスタッフと連携しながらからだとこころが良い状態になることを目指して診療を行うことです。

コーディネーターナース

私達は平日の感染症内科外来で勤務し、受診する方、一人一人に担当制で対応させていただいています。身体的なトラブル以外に、精神的な問題、生活をしていく中で困ったこと、性生活の問題など個別にご相談をお受けし、みなさんと共に悩み考えていきたいと思います。ご相談いただく内容によっては、より専門的スキルのある職種と連携し、多方面から問題解決に努めていきます。みなさまが自己管理をして心身ともに健康な状態を維持し、うまく病気とともに生活していけるよう、チームの一員としてサポートさせていただきます。

薬剤師

薬剤師は、おくすり相談室(個室)で受診する方ごと担当制にて対応しています。HIVの治療は、ウイルスを抑制し続けることが大切です。中途半端な服薬では抗HIV薬が効かなくなります。成功するには、決まった時間に、忘れずに服薬することが必要です。抗HIV薬は、副作用のため服薬ができなくなることもあります。また相互作用も多いので、他のくすりと併用する場合には注意が必要です。

我々薬剤師は、患者様のくすりに対する相談をお受けし、抗HIV薬を服薬する時間の設定、副作用の症状や対処方法、相互作用の注意点などを的確にアドバイスできるように努めています。

カウンセラー

大阪医療センターの臨床心理室は、感染症内科を含む当院全科の受診される方やそのご家族、パートナーの方を対象としたカウンセリングや心理検査を提供しています。

自分自身の、あるいは自分の身近な人のHIV感染を知るということによって、程度の差はあっても人は心理的な動揺や混乱を体験します。HIV感染という事態を受け止め、様々な課題に対処し、HIVと付き合っていく日々の中では、不安、悔しさ、悲しみ、迷い、孤独感など、様々な気持ちを体験されるでしょう。あるいは新たな発見や喜びを体験することもあると思います。長い療養生活の中では、人間関係や生き方を巡って悩み迷うこともあるかもしれません。場合によっては、強い不安、やる気が起こらない、身体の不調など、何らかの症状が生じる場合もあります。

そういうときに、自分自身の心とじっくり向き合ってみるためにカウンセリングを利用する人がいます。私たちカウンセラーは、様々な気持ちや考えをできるだけありのまま表現していただけるように、ゆっくりお話をお聞きします。自分自身の気持ちに十分に気付き、自分自身をよく知ることができれば、より自分らしい選択が可能になると、私たちは考えています。当院に通院される方やそのご家族、パートナーの方で、カウンセリングを希望される方は、主治医またはコーディネーターナースまでお申し出ください。

医療ソーシャルワーカー

医療費や生活費など経済的な事柄、家族の介護や、就労・就学、地域生活、性生活など、病気は、身体的・心理的なことだけではなく、日常の生活に影響をすることがあります。どんな制度を利用できるのか、手続きをどうしたらいいのか、プライバシーが守られるのか、職場や家族に知られてしまうのかなど、ご心配な事柄を一つ一つ一緒に確認をしていくことや、1人ではうまくできない部分をお手伝いすることがわたしたちの役割です。借金のことや、セクシュアリティのことなど、病気が直接関係しない事柄についても、生活上のご相談があれば、医療相談室へお気軽にお越しください。

受診をすることを決める前であっても、受診までに相談をしておきたい事柄がありましたらご連絡をください。全ての相談は無料です。匿名でご利用いただくことも可能です。