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萩 美里 医師(レジデント)

共に学ぶ同期、先を歩む先輩、
いい人間関係に恵まれてモチベーションが維持できる

外科
萩 美里 医師(レジデント)

2015年4月、大阪医療センターに初期研修医として入職。2017年4月に後期臨床研修医(レジデント)となり、医師5年目を迎えました。当センターを研修先に選んだのは、診療科が幅広くさまざまな症例に携われること、1学年に15人と研修医の人数が多いことが理由。予想通り、充実した研修期間を過ごしています。

最初からずっと患者さんを診られる乳腺外科へ

私が医師を目指そうと思ったのは、高校生のとき。漠然とではありましたが、人の役に立つ仕事がしたいと思ったことがきっかけでした。大阪医療センターでの初期研修1年目に、消化器外科や呼吸器外科、乳腺外科などさまざまな科を回る機会に恵まれ、その結果、診断や手術から、薬物療法や緩和医療まで幅広い分野で診療することができる当センターの乳腺外科に魅力を感じました。

乳腺外科の場合、患者さんの診断から治療まで一連の流れをひとつの科で行うことが可能です。最初から最後まで同じ患者さんを担当できるということが、私が目指していた医師のスタイルに近いと思いました。乳がんは他のがんと異なり、ゴールが腫瘍の摘出だけではありません。治療法の選択、合併症のリスク、美容的な側面(術後の状態)にしても気にされる方は多くいます。また、全身に関わる病気なので、場合によっては術後に化学療法やホルモン療法が必要となります。患者さん一人ひとりの体質や症状、そして希望を聞いた上で最適な治療を選択することが乳腺外科の医師には求められます。

患者さんとの言葉に、自身の成長を感じたこと

私は昨年の後期研修医2年目から、乳腺外科外来の主治医として患者さんを担当するようになりました。乳がんの治療法が進歩し治療の選択肢が増え、根治性も高まりましたが、病状に関する十分な情報が得られなければ患者さんの不安や迷いは増すことになります。そのため、私自身は、特に治療方針を決める段階では、患者さんのお話を聞き、疑問を解消することを最も重視しています。医師との十分な対話を重ねた上で、ご自身が納得できる決断をしてほしいとの想いからです。

手術が無事に終わり、退院した患者さんがはじめて外来にお越しの際に「全然痛みがありません」「合併症もなく、形もきれいに治っています」などと言われると、心からよかったなと感じます。医師としてのやりがいを感じるのは、まさにこの瞬間です。

乳腺外科では定期的にカンファレンスを行い、患者さんに提示する治療を検討しています。その結果を患者さんに伝えることは主治医の大切な務めですが、当初、データを示唆しながら、治療方針をお伝えすることは、私にとって非常に難しく、苦手意識がありました。先日、化学療法を受けるかどうか迷っていた患者さんに対して、メリットとリスクをていねいに説明したところ「化学療法を受けることに決めます」と決断されました。信頼関係の鍵となる患者さんとの向き合い方やコミュニケーションにおいて、私自身少し成長できたのかな…と思えました。

女性が医師になるという初心を貫くためには、職場環境が大事

女性が外科医を目指す場合、体力面だけでなく、ライフステージの変化についても漠然と不安を感じている人も多いのではないでしょうか。しかし、当センターは、麻酔科や放射線科の科長を女性医師が務めており、女性の働きやすい環境が整っています。また外科にも、家庭と仕事をうまく両立しながら活躍している先輩も数多くいます。子どもが小さい間は、当直の一部免除や早めに帰宅できるような配慮があること、病児保育もある「なかよし保育園」が院内に併設されていることも、女性医師にとっての安心材料となっているようです。

医師を目指した以上、どんな環境、どこの病院に行っても、基本的に研修時にやることは同じ。とはいえ、日進月歩の医療の世界に身を置いていると、日々の忙しさや学ぶことの多さについ余裕を失い、最初に抱いた高い志やモチベーションを常に維持し続けることが難しいと感じることもあるでしょう。そんなときは、同じ環境で切磋琢磨する同期の仲間たちや、前を見て進み続ける上級医の先生方の姿が一番の刺激になります。そういう意味でも、ここ大阪医療センターは研修医の学びの場として最適な環境だと思います。

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