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高見 康二 医師

外科医としての総合的な診療能力が磨ける環境
ここであなたの可能性を広げてください

呼吸器外科 科長
高見 康二 医師

現在、外科医が減少傾向にあることは事実ですが、自分の技術によって患者さんを治癒に導くことができる外科医という仕事は魅力にあふれています。外科は、ダイナミックで、一生をかける価値のあるやりがいのある分野。優秀な医師が数多く集まる当センターの外科の門をぜひ叩いてみてください。

生涯の師との出会い

人の役に立つ仕事がしたい―。それが、私の高校時代の夢でした。多くの選択肢がある中で医師を選んだのは、人に希望を与えることができ、社会の役に立てるから。中でも、外科は、自分の技術がダイレクトに患者さんに反映されます。当然技術向上への取り組みが必要となりますが、努力した分だけスキルとなって身に着き、その技術を活かすことで患者さんを治癒に導くことができる外科に大きな魅力を感じました。

少々の臨床経験を積んだ後、大阪府立成人病センター(現大阪国際がんセンター)の呼吸器外科に入職。そこで生涯の師と仰ぐ上司との出会いがありました。その先生の考え方、手術に臨む姿勢、患者さんに対する接し方、自分自身を高める努力に大きな影響を受けたのです。先生は、ご自身の手術や治療のデータを数年後に検証して、自分の治療の正否を見極めていました。私はまだまだ足元にも及びませんが、今もその先生に近づきたいという一心で、先生の背中を追いかけています。若き日には、一生を変えるような出会いのチャンスが待っています。研修医の皆さんには、そのことを意識してほしいと思います。

一人ひとりの患者さんにとって何が最良かを考える

私は肺がんをはじめとする胸部領域の腫瘍や気胸を担当しています。治療にあたってはこれまでに積み重ねられた医療のエビデンスを考慮することはもちろんですが、患者さんにとって何がいいのかを一番に考えて治療方針を決めることにしています。例えば胸腔鏡など新しい技術も採用していますが、傷が小さく美容上きれいであるというだけで飛びつくのではなく、まずは根治することを第一に治療法を選択するのが原則。まだ評価の定まらない新しい技術については、欠点や限界についても慎重に検証した上で導入するかどうかを決定していくというのが当センターの呼吸器外科のスタイルです。3年後、5年後に患者さんにメリットがあると思われる最良の選択していくことを私たちのポリシーとしています。

呼吸器外科は、普段から呼吸器内科、放射線科、臨床検査科などと連携をして治療を行っており、心筋梗塞や脳梗塞といった合併症のある患者さんの場合は、循環器内科や心臓血管外科、脳卒中内科などそれぞれの専門科と連携して手術や治療を行います。また、当センターは、看護師や薬剤師といったメディカルスタッフと連携してチーム医療を実践するなど、職種間の垣根が低いことや風通しの良いオープンな職場環境であることも大きな特徴です。各科の医師や他職種のスタッフと一緒に治療に取り組むことで、外科医としての総合的な診療能力を磨くことができます。

一生をかける価値のある外科医という仕事

当センターの呼吸器外科は、全国がんセンター協議会が公表した32施設のデータによると、手術治療が主体となるⅠ期、Ⅱ期肺がん患者の5年生存率は、非常に良好な治療成績が得られています。また、診療体制の充実や患者さんの増加が評価され、2012年に呼吸器外科基幹施設(呼吸器外科専門医合同委員会)への昇格が認定されました。呼吸器外科に興味のある先生にとって、非常に学びがいのある環境となっています。

当科のみならず当センター全体にいえることですが、技術や知識において優秀であるだけでなく、非常にモチベーションが高い先生が多いというのが特長。私のような、ある程度経験を積んだ医師にとっても、重大な判断を迫られるときに意見を求めることのできる同世代あるいは先輩医師が多くいてくれることは大変心強いことだと感じています。

当センターは、高い専門性を持った医師や医療スタッフの仕事術を間近で見て、それを吸収しながら、のびのびと成長できる恵まれた環境です。私自身は、一人ひとりの個性や興味に合わせた指導を行い、研修医の皆さんの成長を後押しすることができればと考えています。ぜひここで、外科医としての可能性を広げてください。

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