下山 遼 医師(レジデントOB)
自分で選んだ道だけどまだ手探り、
しかしその先に多くの人を救える光を見つけたいです。
外科
下山 遼 医師(レジデントOB)
子供の頃から病院が日常でした
両親とも医師だったので、小さい頃から医局で留守番をしたりして病院が日常という感じでした。言い換えれば子供の時から病院にいる時間が長く、病院という場所が特別な場所ではなかったということです、だから医師を目指したのもその流れで極めて自然だったような気がします。
研修先としてこの大阪医療センターを選んだのは、ひとつには各種の外科トレーニングを多く積むことができることです。移植手術や血管縫合、肝胆膵(肝臓・胆嚢・膵臓)手術トレーニングなどが継続してできます。もうひとつはアカデミックな指導に優れているという点で、臨床研究や論文を多く発表したり、学会への出席も多い先生方がたくさんいらっしゃるということです。
これら全ては私が外科を選択した「患者さんの苦しみに多彩な方法でアプローチしたい」という根本の理由に繋がっています。
患者さんに寄り添い、自分らしく生きるお手伝い
医師になっても、レジデント(後期研修医)の立場では患者さんの主治医にはなれません。しかし、自分の病気が見つかった時の気持ちや手術前の不安、さらには術後の過ごし方など、手術のことだけではカバーできない患者さんの日常の話を聞くことで、より良い治療のサポートができていると感じています。患者さんの側に寄り添いながら、患者さん本人が選んだ治療の道をしっかりと進む手助けができると思います。
入院患者さんの中には余命を告げられている方もいらっしゃいます。一見冷静に受け止めておられるように見える方でも、そこには必ず自分が想定していたものと現実とのギャップが存在します。そんな時、タイムリミットを待つだけでなく、患者さんが自分らしく生きていくためのお手伝いを、日々の話を聞くなかでしていくのも私たちの大切な仕事と考えています。
ここで学んだことを社会に恩返しする
4月からは東京の国立がんセンターへ移ります。また、3月から米国のジョンホプキンス大学に在籍しており、インターネットも併用した年1回のスクーリングにより最新のがんへのアプローチを学んで、世界的な問題である「病気と貧困」について取り組んでいきたいと思っています。
ここ大阪医療センターは、留学経験のある先生方が多くおいでで、海外での医療現場のことはもちろん、現地での生活や治安など実際に行く際に参考となる話が多く聞けるのは大きなメリットです。さらに、言語習得に最適な幼少の頃に両親の留学について行ったことで、英語をマスターできたことも、世界で自分の力を試したいという気持ちを後押ししてくれたと思います。
スティーブ・ジョブズの言葉で「今日が人生最期の日なら、今日予定していることは本当に自分がしたいことか?」を座右の銘としています。ここで学んでいる時も悩んだり迷ったりすることはありましたが、先生方や同期のレジデントみんなに支えられて成長することができました。ここで学んだことを社会に恩返しできる外科医を目指すには、共に頑張れる理想の環境といえます。